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依存脱却の壁「スディグマ・偏見」を深堀りする・・・カウンセラー養成オンライン講座 から

2018年10月30日 (火)

今回の活動ブログは、依存症者ご本人やご家族の方を支援するための方法を学ぶ『アディクション・カウンセラー養成講座』のご紹介。
 
グループの心理カウンセラーで東京・横浜オフィス担当の片桐淳が、オンラインでも開催中の講義のひとコマをお伝えします!
 

 
 
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昨年から始まった養成講座は、これまで大都市圏を中心に開催してきましたが、遠方からのお問合せが増えてきました。
 
そこで今期より、パソコンでの受講も可能な(もちろん開催地の横浜で直接ご受講いただくことも可能です)オンライン講座を開催しています!
 
 
今回のブログでお伝えするのは、講座の第5回。テーマは「スティグマ」について
 
「スティグマ」とは、日本語に訳せば「烙印」。
 
講義では、依存症やその他の問題に対する、負のイメージや偏見について学びました。
 

 
 
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世の中は偏見に満ちています。
 
「依存」は我々にとってごくごく身近なものです。しかし、未だにスティグマが押されています。
 
 
アメリカの調査ではありますが、少しご紹介します。
 
・人々が依存症の人々に異なる扱いをしている(60%)
 
・依存症の人々は、他の人たちに怖がられているように見える(46%)
 
・雇用主から、通常よりも低い賃金を支払われているように感じる(14%)
 
・・・など、周りの人から見ても、「依存症の人はスティグマを押されている」という受け止められ方をしています。
 
日本でも、「意志の弱い人」という偏見で見られていることを感じます。
もちろん、依存症は意志の強い・弱いは関係ないのですが、にも関わらずです。
 

 
 
これらの「スティグマ」は、当事者の努力にも関わらず、依存症の回復にとって大きな妨げになります。
 
依存症の当事者は、「スティグマ」に晒されるかもしれない事をあらかじめ想定しておくことが必要ですし、周りは「スティグマ」を押さない、偏見を持たないことが必要になります。
 
 
そのためにはどうすればいいのでしょうか?
 
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実は「スティグマ」は、ある程度本能的なものであることがわかっています。
 
ワシントン大学の研究者がこんな実験をしました。
コチラ↓↓
http://www.washington.edu/news/2014/04/14/babies-prefer-fairness-but-only-if-it-benefits-them-in-choosing-a-playmate/
 
 
15ヶ月の白人の赤ちゃんに対して、白人の大人2人がおもちゃを分配します。
 
一方の大人は公平に。もう一方の大人は不公平に分配しました。
 
その結果、赤ちゃんは公平に分配した大人と遊びたがりました。
 
15ヶ月の赤ちゃんであっても、「公平さ」を好む傾向があるわけです。
 
 
・・・しかしこの実験には先があります。
 
大勢の白人の赤ちゃんの中に、アジア系の赤ちゃんを数名入れます。
 
白人の大人はこちらもおもちゃを分配します。
 
今回は、一方は白人の赤ちゃんにもアジア人の赤ちゃんにも公平に分配する大人。
 
もう一方は、白人の赤ちゃんに贔屓して、アジア系よりも多くのおもちゃを分配する大人。
 
白人の赤ちゃんはどちらの大人と遊びたがるでしょうか?
 

 
 
この流れでしたら想像がつくかと思いますが、白人の赤ちゃんに贔屓した大人と遊びたがったのです。
 
 
まとめると、「赤ちゃんは普段は公平さを好むが、それは自分の仲間内の時に限る」という事です。
 
「自分と(見た目が)一緒か、違うか」で線引きしているのです。
 
 
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長くなってしまいましたが、もうちょっとだけ心理学の話を。
 
ロボット工学の分野では「不気味の谷」という現象が知られています。
 
日本の東京工業大学の教授が提唱し、世界的に知られるようになりました。
 
不気味の谷(wikipediaから)↓↓
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8D%E6%B0%97%E5%91%B3%E3%81%AE%E8%B0%B7%E7%8F%BE%E8%B1%A1
 

 
 
人間は、機械的な動きのものよりも人間らしい動きに「好感」を持つようにできています。
 
人間らしくなればなるほど、比例して好感度が増します。
 
しかし、人間らしくなりすぎると(でも本当の人間からすればちょっとぎこちない)、人間は途端に「嫌悪感」や「不気味さ」を感じるようになります。
 
https://youtu.be/RbgzqFtcALA
 
 
人間とはあまりにも違う動きの場合は、不気味さや嫌悪感を感じませんが、人間の動きと似ているけれどちょっと違う動きに不気味さを感じるわけです。
 
これも、自分とは違うものに対して(敏感に)拒否反応を示す証拠と言えるのではないでしょうか。
 
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ここまでのところで私が言いたいのは、「スティグマや偏見は本能的で仕方のない事」という事ではありません。
 
この日本で、スティグマの対象になっているマイノリティをいくつか想像してみてください。
 
その中に、皆さんのお知り合いの方は属していませんでしょうか?
 
そして、皆さんはその方に対して、周りと同様にスティグマを持っているでしょうか?
 
私にも身体障がいを持つ方や外国出身の知り合いはいますが、スティグマは持っていません。
 
その方々は善き人ですが、全員が「善き人」にはなりません。
 
もちろん世の中には「悪い障がい者」や「悪い外国人」がいる事がわかります。
 
大事なことは、その人を「知ること」です。
 
 
依存症の人の中にも「怖い人」はいるかもしれません。
 
でも、依存症の(善き人の)当事者を一人知れば、漠然と「依存症者は怖い人」から、「依存症者にもいろいろな人がいる」という認識に変わるはずです。
 
 
我々は様々な偏見・スティグマを持っています。
 
これは、ある意味本能的なもので、当たり前のことです。
 
しかし、それは「知らないだけ」で起こっています。
 
「スティグマの対象の当事者を知る」という経験をすること。
 
これが、偏見やスティグマのない世の中を作る唯一の方法だと思います。
 
 
…この日の講義の前半は、こんな内容でした。
 
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この「アディクション・カウンセラー養成講座」は、もちろん心理学の知識や援助法を学びます。
しかしそれだけではなく、依存症を経験したワンネスグループのスタッフたちが自らの話をしてくれる機会も設けています。
 
今回の募集は終わってしまいましたが、ご興味のある方はぜひ次回、お申し込みください。
 

(画像をクリックすると 特設ページへ移動します。)
 
 
そしてワンネスグループ では、スティグマの解消を目的のひとつとして、全国で「依存症を知るセミナー」を開催しております。
 
また、予防や啓発のために、学校や企業等に訪問して講演活動も行っています(ご希望の学校関係者の方、企業担当者の皆さま、お気軽にお問い合わせください!)。
 
 
ここまでお読みいただきありがとうございました!
 

 
 
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【全国各地で開催 ~ 依存症を知るセミナー ~】
 
知ることは防ぐこと、知ることは解決への一歩』をキャッチフレーズに、
依存症を経験したワンネスグループのスタッフたちが自身の経験、
施設での回復支援経験などをもとに、当事者の視点で依存症を語ります。
 
また、セミナー相談後は相談対応を行います。
 

(画像をクリックすると、全国のセミナー情報がご覧いただけます。)
 
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【ワンネスグループの依存症相談窓口】
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自身の依存経験と支援経験、そして専門的知識を持ったスタッフが対応します。
ご相談の秘密は守られます。安心してご相談ください。
 
<依存症相談ダイアル>
電話番号(通話料無料):0120-111-351 (受付時間:月~金曜日/10時~17時)
 
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