1.ギャンブル依存症についての基礎的内容が分かる
(定義、なぜ依存症になるのか・放置するとどうなるか、当事者の体験発表もあります)
2.ギャンブル依存症からの脱却例について知ることができる
(我慢してギャンブルを遠ざけること以外に、どのような方法があるのか?)
3.ギャンブル依存症対策の具体例を知ることができる
(予防教育、啓発、相談、回復支援など 民間施設の経験をお伝えします)
4.国、地方に求められている
ギャンブル依存症対策は何か知ることができる
(海外の先行事例について紹介)
5.IRとはどのようなものか、知ることができる
6.カジノ大国アメリカの最新依存症対策を知ることができる
12月15日未明、衆議院本会議において、IR(カジノを含む統合型リゾート)推進法案が可決され、成立しました。これから政府によって、施行後1年以内をメドに、規制の基準や必要とされる対策が盛り込まれた実施法案が策定されます。また首相が本部長として設置される推進本部が、政府によって設置されます。
カジノを含む統合型リゾートへの期待感から、海外企業も興味を示しています。懸案材料は多数ありますが、カジノ開設に向けて動き出すこととなりました。
カジノを含む合法ギャンブル全般に対して、賛成、反対、中立の様々な意見があります。
私たちワンネスグループは、ギャンブル依存症で苦しむ方々の回復支援、相談支援を行って参りました。それら現場での経験を踏まえ、IR推進法案の議論は慎重な態度をもって進める必要があると考えます。カジノ設置により依存症者が増える可能性を懸念する声がありますが、一方で、これまで野放しに近かったギャンブルによる問題を、今回の法案審議を機に明確に示していくことが出来ればむしろ依存症者が減る可能性が考えられます。
いざ、法案が成立したことによって、その時点で賛否の声が遠く消え、依存症対策を求める世論も小さくなっていくかもしれない・・・その危惧を抱いています。
ギャンブル依存に注目が集まっている今こそ、冷静に、現実的で具体的な対策を考える重要な機会ではないでしょうか。
いまこの瞬間も、自身のギャンブルがコントロールできないことにより苦しんでいる本人や、その家族がいます。家庭内の問題はもちろん、職場、学校、地域社会などにおいて様々な人が影響を受けますし、自身が依存症になる可能性もゼロではありません。ギャンブル依存症は他人事ではない、身近な問題なのです。
身近な問題を「見ない、聞かせない、触れさせない」で解決することはありません。私たちは、ギャンブルによるメリットやデメリットについて知り、現実的に依存症対策を講じる必要があります。
今回を重要な機会として、ギャンブル依存症対策を本気で進めていただく。私たちワンネスグループは、ギャンブル依存症回復支援、相談対応、予防啓発活動の現場での経験をもって社会に寄与していきたいと行動をしています。
このたび、ギャンブル依存症をより深く理解する場を作りたいと考え、急きょ、全国各地でセミナーを開催します。進行は、かつてギャンブル依存で苦しんだ経験をもつ、グループ副代表の三宅隆之(精神保健福祉士)が務め、各会場ではギャンブル依存から回復したグループ各施設のスタッフがサポートします。
「家庭、地域、学校、企業での予防啓発、予防教育」「相談窓口」「回復への本人動機づけ、家族介入」「単にギャンブルを絶つだけではない、心のケアのプログラム」「再発防止」「社会復帰」これらは、私たちワンネスグループが民間団体の立場で、ギャンブルによる問題の低減を目指して実際に行っていることです。実は、ギャンブル問題対策が国で議論されようとしている、その前から取り組んでいることなのです。この時間も、全国各地から相談の電話やメールが届いており、依存経験をもつスタッフが当事者性と依存症解決の専門性の両輪を活かして対応しています。
● 全米問題ギャンブル協議会(NCPG)、
国際問題ギャンブルカウンセラー認定委員会(IGCCB)との連携、
国際カウンセラー資格の日本導入
● 入所型 ギャンブル依存症回復支援施設の運営(奈良、沖縄、愛知)
※ カウンセラートレーニングを受けた ギャンブル依存からの回復者がスタッフ
※ 障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス事業所の指定
※ 法務省の自立準備ホーム登録を実施
● 通所型 ギャンブル依存症回復支援プログラムの提供(奈良)
※ 仕事や学業を続けながら利用できる「日曜コース」の実施
※「節制ギャンブル」をするためのコースの実施
● 弁護士による法的支援
※ ギャンブル依存症が背景と考えられる触法行為(窃盗、横領など)を
きっかけとした回復支援(ダイバージョン)
※ 施設利用者の抱える法的問題(債務、家族関係など)の相談
● 刑事施設内でのギャンブル問題教育への協力(播磨社会復帰促進センター)
● 社会復帰支援のための事業運営(飲食店、農園)
● 相談窓口(対面、フリーダイヤル、メール、LINE)の設置
● 家族向け支援の提供
※ 当事者が依存脱却の行動をする動機付け「インタベンション(家族介入)」
※ 関西、東海、沖縄地区での家族会「ワンネスファミリーグループ」
※ 東京での臨床心理士による「家族向けワークショップ」
※ 全国対応 ネット電話「Skype」による家族会開催
● 学校、企業 ギャンブル依存症予防講演
● 全国各地で 市民向け「依存症を知るセミナー、相談会」の実施
● 青少年のギャンブルについて注意啓発を行うチラシの配布
● ラジオ、Youtubeを通じた依存症啓発番組、動画配信
● ギャンブル依存症についての調査、研究協力
3年前からは、アメリカ国内の合法ギャンブルによる問題の低減を目指す全国組織「NCPG(全米問題ギャンブル協議会)」と連携をスタート。合法ギャンブルについて中立的な立場で当事者問題の解決サポートをするという姿勢に感銘をうけ、この枠組みを日本でも導入できないか、調査を続けています。
アメリカの団体が中立的な立ち位置で活動できるのは、協議会メンバーによる努力のもと身近にギャンブルのメリットやデメリットを知る機会が多く確保され、相談窓口や回復資源の豊富さ、ギャンブル依存についての調査研究の蓄積などの社会体制の整備という裏づけがあるからです。
日本に目を向けると、アルコールの問題については一昨年に基本法が施行されていますが、ギャンブルについては無く、体制も依存症の認識もまだ整っていないと言えます。ワンネスグループとしては、日本国内でも体制の整備が絶対に必要であると様々な機会を通じてお伝えしており、IR導入の議論において、経済効果ばかりに目をとられて依存症対策を軽く扱うのであれば、いくらメリットがあるものだとしても、設置に反対だと考えています。
海外の事例については、ほかに、NCPGと関連のあるカウンセラー団体「IGCCB(国際問題ギャンブルカウンセラー認定委員会)」による、問題ギャンブル特化型のカウンセリング資格の日本導入を実施、11月には国内初の同団体認定カウンセラーが誕生しました。
昨年はシンガポールのIR、マリーナベイ・サンズで実施されているカジノスタッフ向けの内部研修に参加。ディーラーなどスタッフたちが、依存症について学び、ヒートアップしている客に対して相談窓口をどのように伝えていくのかをロールプレイを交えて練習する姿も見てきました。
ギャンブルをレジャーとして楽しめる方が多くいる一方、コントロールできずに苦しんでいる人たちもいます。その方に、速やかに支援を提供したい。私たちは、過去自身が苦しみました。ギャンブル依存を知らないことによる苦しみを経験してほしくない。適切な支援を受けることができれば依存症は回復できる。ギャンブルや依存症のネガティブなイメージにとらわれずに、オープンに問題を語ることができ、早期に依存症教育ができる社会であってほしい。
私たちワンネスグループは、その強い願いを持ち、私たちが現に行っている事や海外の先行事例の知見にもとづき、ギャンブル依存症対策について国や地方自治体に提言をおこなっています。
◆ ギャンブルは、「リスクが全く無い活動ではない」
という点を率直に受け止める
◆ その上で、「問題あるギャンブル=ギャンブル依存症」という図式ではなく、
① 予防教育のみで足りる層(若干の問題はあるが、マイルドな層)
② 節制の提案や危険性の通知が必要な層(本人も周囲も問題視し始めている層)
③ 断ギャンブル、治療が必要な層(この層が「ギャンブル依存症」)
以上、3つに分けてそれぞれに対する対策を講じる
(536万人すべてが「依存症」ではない。)
◆ 日本においても、NCPGのような問題ギャンブルに関する
多面的対策を行う団体が必要。
・業界(ギャンブル場運営者、くじ・レース主催の行政・公的団体)
・福祉(民間依存症回復施設)・医療(医師、大学研究者)
・行政(規制当局、公衆衛生)・他民間事業者(ヘルプライン、調査会社)
◆ ギャンブル依存症対策として、現状、医療が先行している感があるが、
医療モデルのみでは解決は困難。
社会モデル(民間支援施設、啓発団体などを担い手とする)
との融合で包括的に対策を講じるのが理想。
そこに、行政がどのように関わるのか。
緊急セミナーでは、あわせて報道関係の皆さまの取材もお受けします。メディアの皆さまにお力添えをいただき、ひとりでも多くの方に、ギャンブル依存症の正しい情報が伝われば幸いです。
※ 記者会見後、「ギャンブル依存症を知るセミナー」を開催します。
引き続きご参加いただき、ギャンブル依存症について理解を深めていただければ幸いです。
お問合せ先 | ワンネスグループ奈良オフィス
電話:0745-24-7766(月~金曜 10:00 ~ 17:00) メール:info@oneness-g.com |
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