海外団体との連携でプログラムの進化を目指す海外団体との連携で
プログラムの進化を目指す
GCCC
(世界資格養成・認定センター)
GCCCについて
GCCCは、アジア太平洋地域の経済協力や生活水準の向上を目的に、1951年に発足した政府間組織、コロンボ・プランの中で、2009年に依存回復支援のためのカウンセラー養成を目的に設置されました。
GCCCの成り立ちと役割
GCCC(Global Centre for Credentialing and Certification)は、2009年にコロンボ・プラン(※1)内部の薬物諮問プログラムの専門職養成・資格認定部門として設立された団体です。当初、ACCE(アジア地域アディクション専門職認定教育センター)を名乗っていましたが、参加・活動地域の拡大や役割の変化により、ICCE(国際アディクション専門職認定教育センター)を経て現在はGCCCになっています。本部はスリランカのコロンボにあり、アジア・中東・アフリカ・ラテンアメリカの国々において、依存の問題に関わる政府機関や民間団体、個人の研究者らが加盟しています。また、アメリカ国務省の機関であるINL(国際麻薬・法執行局)と世界最大の依存関連専門職団体であるアメリカNAADAC(全米アディクション専門職協会)より、幅広い諮問と協力を得ています。おもな役割は世界基準の依存回復支援に関するカウンセラー資格を開発、認定することと、依存回復の専門家を広く育成することです。GCCC認定のカウンセラー資格は世界で通用する(※2)ため、有資格者は国を越えて活躍することができます。
※ 1
コロンボ・プラン
1951年に発足した開発途上国援助のための政府間組織。アジア太平洋地域の経済協力や生活水準の向上を目的にしている。日本は1954年に加盟、翌年より専門家の派遣や研修員の受け入れなどの技術協力を行ってきた。
※ 2
GCCCに参加している各国の中にはICAPの資格を公的に認めている国がある。また、一定の条件のもと、アメリカNAADACの同様の資格と相互認証されている。
GCCCの専門職養成・認定プログラム
GCCCの専門職養成・認定プログラム
GCCCの専門職養成・認定プログラム(資格:ICAP=国際認定アディクション専門職)は、大きくトリートメント・予防・リカバリーサポートの3系統に分かれています。現状ではトリートメントとリカバリーサポートのセクターが先行しており、予防セクターは養成プログラム・認定試験共に開発中です。
トリートメントセクターのICAP-T(I~IIIの3レベル、旧ICAC=国際認定アディクションカウンセラー)は、依存問題に関する専門的な知識と臨床のスキルを身につけて、当事者のカウンセリングや援助業務にあたる職務資格です。レベルが上がるごとに要件となる学歴や職務経歴が厳格になり、習得内容や適切とされる職務も高度化します。
リカバリーサポートは、元来はリカバリーコーチと呼ばれ、ICACの手前の入門レベルとして準備されました。しかし、支援・援助の分野では、現在リカバリー指向(中心)のケアシステムという概念が非常に重視されており、その流れに沿って回復・成長サポートが独立したカテゴリーに位置付けられています。特にアメリカでの依存脱却支援では、この考えにのっとって地域で当事者のリカバリーを継続しながら日常生活を送れるように包括的にサポートするシステムの構築が目指されています。その中で、リカバリーサポート、リカバリーコーチ、ピアサポートなどの職種は、当事者に比較的近い位置にいて日々の生活を支援するという中核的な業務が期待されています。リカバリーサポートの資格を目指す人には、当事者で本職や将来のカウンセラー職を目指す人や他の専門職だが現場で当事者と関わる機会の多い人などが含まれます。
ワンネス財団とGCCC
ワンネス財団は日本で唯一、GCCC(世界資格養成・認定センター)に加盟している民間団体です。
ワンネス財団創設者の矢澤祐史は、2014年に日本で初めてリカバリーコーチ(当時)の資格を取得。2015年2月にはICCE(当時)の理事に就き、現在までその任にあります。その結果、ワンネス財団は国際的な場で存在感が認められるまでになっています。
2014年9月にはワンネス財団主催のフォーラムへ、また2015年10月にはワンネス財団10周年記念シンポジウムへ、ICCEディレクター(当時)のテイ・ビアン・ホウ氏が来日され、参加してくださいました。
またワンネススタッフも、ICCE/GCCCの認定資格取得を目指して勉強を続け、私たちからの要請に応えてトレーナーが来日し、カウンセラー特別養成講座を開講してくださっています。国際的な団体とのネットワークが強化されるとともに、たしかなスキルがワンネス財団を中心とした、日本の依存関連の分野に伝えられています。
そして、2017年1月にリカバリーコーチ認定のためのトレーニングと試験が国内で初めて開催されました。その結果、見事16名の受講生がリカバリーコーチに認定されました。元々依存の問題で苦しんだ当事者がその脱却を果たし、さらにはトレーニングの中で支援のための知識を身に付ける…、依存を持つ者の苦しみや心の中の問題を分かち合うことができる「共感性」とトレーニングを通し身に付けた「専門性」の両輪で活動できるのは、依存を持つ当事者ならでは。専門資格を取得することで、自らに誇りを持って活動することができ、ワンネス財団のキャッチフレーズである「マイナス10からプラス10の回復」にも沿うことになります。
私たちはGCCCとともに依存関連問題を解決に向けたアプローチを積極的に行い、GCCCの活動を日本に広げ、ワンネス財団の活動を世界に発信していけるよう努めていきます。