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2019.05.17
悲しい音楽
こんにちは。
昨日は終日、奈良の施設で依存症のクライアントの方々に心理学を教える日でした。
昨日の講義の内容は「行動療法」など。
終わりに近づいているということもあり、
・「条件付け」から依存症と回復を理解する
・ミルトン・エリクソンの症例から、問題解決のアイディアを学ぶ
・リラックス法を体験する
など、結構本格的な内容になってきました。
講義の中では毎回、最近読んだ(その日の講義内容とは関係ない)心理学の研究の紹介をするのですが、
昨日はこんな記事を紹介しました。
研究では、うつ病と診断された学生と、そうでない学生に、
楽しい音楽=オッフェンバックの「天国と地獄」
悲しい音楽=サミュエル・バーバーの「弦楽のためのアダージョ」
を聞かせたところ、
悲しい音楽の方が幸せな気分になり、リラックス効果があったとか。
「天国と地獄」は、運動会などで流れるアノ曲。
「弦楽のためのアダージョ」は、あの戦争映画で流れる曲です。
※弦楽のためのアダージョが使われていた映画の再現CG
(今日は30分くらいで作り終わりました)
記事の中では、2015年の先行研究の再現と書いてありますが、
私の記憶が正しければ、それより先に日本人の研究者たちが「悲しい曲」についての効果を発表していたはずです。(→コチラ 英語です。)
人は、「自分と同じである」と感じた時に、安心感を感じることができ、
その雰囲気に十分浸った後は、気分が上向いてきます。
・置かれている環境が同じであること
・悩みや障がいが同じであること
・表情や動作、話すスピードが同じであること
・性格が近いこと
などなど。
カウンセリングや心理学の中でも、親しみや安心感を感じるためには「同じであること」が重要であることは
よく言われています。
依存症の方々の場合は、同じ苦しみを味わった仲間たちに囲まれ、想いを共有することで前向きに回復を目指していきますし、
田舎から一人東京に出てきて寂しさを感じた時は、同郷の訛りを聞きに上野駅にも行きたくなるものです。
音楽の場合も、「自分の気持ちと同じ」と感じられれば、
安心感に十分浸った後、幸福すら感じるようになります。
また、うつ症状に置かれてない場合も、
「泣きたい気持ち」になっていることはよくあると思います。
そんな時も「悲しい音楽」は有効です。
皆さんも、精神的な健康のために、「自分の気持ちにぴったりな音楽」や「悲しい音楽」を
活用してみてはいかがでしょうか。
今日現在の私のオススメは、
「泣き歌の貴公子」の異名をとる、林部智史さんの歌です。
同郷で、私の出身高校の後輩らしいので。
ということで、お読みいただきありがとうございました!