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2019.06.25

脳内対話

こんにちは。

「脳内ポイズンベリー」という漫画をご存知でしょうか?

ついでに。

「宮下草薙」というお笑いコンビをご存知でしょうか?

 

「脳内ポイズンベリー」は、

恋愛に臆病な女性の頭の中の様子を擬人化して描いた少女映画

 

…と、我ながらなんの魅力も伝えられていない説明であると感心しますが、

オススメの映画であることは間違いありません。

2015年に映画化もされました。私は映画だけ見ました。

アマゾンプライムで見られるようです。

 

一方、「宮下草薙」は、今なにかと話題の「アメトーーク」の高校中退芸人にも出た

ネガティブ思考の草彅さんを、お笑いと草彅さんに厳しい宮下さんがつっこむ、

という体裁を取っています。

…こちらも、あまり魅力を伝えられていないですね。

Youtubeなどで、まずはご確認ください。

 

 

さて、「脳内ポイズンベリー」に戻ります。

内容的にも面白いですが、「心理学的に使える映画」と考えた場合、

とても参考になる作品だと思います。

 

真木よう子さん演じる主人公が、年下の男性に恋をする訳ですが、

話しかけようか、やめようか、躊躇する時には、必ず頭の中で会議が行われます。

会議のメンバーは、

理性の吉田(議長)西島秀俊さん

ポジティブの石橋神木隆之介さん

ネガティブの池田吉田羊さん

衝動のハトコ桜田ひよりさん

記憶の岸浅野和之さん

 

たとえば、主人公が恋をした男性に話しかけようか迷っている場合は、

「ポジティブ石橋」と「衝動ハトコ」が頭の中の会議内で話しかけるように発言し、

「ネガティブ池田」は止めるように意見します。

「記憶の岸」は過去の経験を提示し、

それぞれの意見をまとめて、「理性の吉田議長」が実行に移すかどうか決めるわけです。

 

主人公の真木よう子さんは、今まで演じたことのなさそうな奥手の女性の役ですが、

素敵な演技でしたし、

脳内のそれぞれのキャラクターを演じる俳優陣も、ぴったり合っていました。

より客観視しやすいように、各キャラクターに「名前(苗字)」をつけているところも素晴らしいと思います。

記憶がゆがめられていく様子も、うまく描写されています。

世の中の女子たちの多くは、励まされる映画なのではないでしょうか。

 

さて、このような脳内会議の映画は、

ちょうど同じ年にディズニー映画でも公開しているはずです。インサイドヘッド

(人間が持つ5つの感情[喜び、悲しみ、驚き、恐怖、怒り]が脳内で会議するようです)

こちらは、みようみようと思いながら、まだ見ていません。

 

このような映画が立て続けに出てきた背景には、

最近心理学界に登場した、「感情のコントロール法」が影響しているのではないか、

と勝手に考えております。

スティーブ・ピーターズというイギリスの精神科医が書いた

「ぶれない生き方」という本に紹介されている「チンパン・メソッド」という方法は、

感情を「チンパンジー」、理性を「人間」と置き換え、

頭の中でどのように「人間」が「チンパンジー=感情」を抑えるかを考えます。

(ちなみにピーターズ博士は、英国の自転車競技やサッカークラブのメンタルコーチをしつつ、ご自身も陸上競技のマスターズの大会で優秀な成績を残しています。)

「心や頭に何か葛藤がある」と感じた時に、

モヤモヤしたままにしたままにせず、葛藤の中身にキャラクターを当てはめ、

議論を戦わせることで、心が整理されていくのです。

皆さんも、ご自身の脳内の要素それぞれに、

有名人や動物など、キャラクターを当てはめてみることをお勧めします。

映画と同様に、西島さん、神木さん、吉田さん、浅野さん、桜田さんでイメージしてもいいとは思いますが、

これは、主人公のキャラクターにあった人選。

ご自身独自のキャラクターを探してみるのも面白いかもしれません。

理性??

ポジティブ??

ネガティブ??

衝動??

記憶??

いかがでしょうか。

 

ところで、ここまで放ったらかしにしていた「宮下草薙」。

ネガティブ発言の「ボケ役」草薙さんが、数々の「歪んだ認知(wikipedia)」を

披露してくれています。

さぞや生きづらさを感じていることでしょう。心配です。

 

「そこまで『深読み』しなくても…」

「誰もそんなことを思っていないよ」

などという我々の考えを、「ツッコミ役」の宮下さんが代弁しています。

 

「笑い」になっているということは、

突飛過ぎず、ありきたり過ぎず、

それが絶妙なレベルの「歪んだ認知」になっていると思います。

草薙さんの発言を受けて我々が思っていることを宮下さんが代弁することで、

笑いになっているのです。(笑いの構造についてはまた改めて)

 

この「歪んだ認知」。

他人のものは見つけやすいにも関わらず、自分のものは見つけにくいものです。

皆さんの仲のいい人が「○○さんから嫌われているかも」と言ってきたら、

「そんなことないよ」とか「直接聞いたわけじゃないでしょ?」とか

説得や論駁することができます。

でも、自分が「○○さんから嫌われたかも」と思った場合、

誰かに伝えない限りは論駁されることなく、

結果、落ち込んでしまうものです。

誰かに伝えようとしたところで、

「面倒臭がられるんじゃないか?」とか「嫌な気持ちにさせちゃうかも」とか

また別の「歪んだ認知」が起こってきます。

そもそも自分の「歪んだ認知」に気づかず(自覚せず)に

勝手に落ち込んでしまう、ということも多分にあるわけです。

 

こんな時は、あとで振り返って紙に書くなどして自分の認知を思い出すか、

上で書いた「脳内会議」をするのがいいと思います。

 

ご自身の頭の中に「ネガティブ草薙」がいると想像してみてください。

吉田羊さんの方がいい、という人の方が多いと思いますが、

一旦草薙さんにしてください。

 

皆さんがイライラやウジウジした感情を持った場合、

頭の中の草薙さんが何を言おうとしているでしょうか?

「どうせオレ(私)なんか無理だよ」

「みんながオレ(私)のことをハメようとしてるに違いない」

 

そんな時に、皆さんの記憶の中のポジティブ神木君、記憶の浅野さんなどが登場します。

ここのキャラクターは他の誰でも構いません。

 

頭の中の草薙さんがウジウジしている時、なんと声をかけるでしょうか?

「そんなことないって。以前はできたじゃん!」

「アイツはハメようとなんてしないよ」

自分の歪んだ認知には気づかなくても、草薙さんが言っていることは気付きやすくなります。

説得するために、たくさんの意見を出してください。

そしてご自身の感情に注意を向けます。

いくらかイライラやウジウジが解消しているのではないでしょうか?

 

うまくいった場合は、ぜひ頭の中に草薙さんを飼い続け、

ことあるたびに説得してください。(私は吉田羊さんの方がいいですが…)

 

 

いずれにしても、宮下草薙も脳内ポイズンベリーも、オススメです。

お時間があれば、見てみてください!

ということで、今日もお読みいただき、ありがとうございました!!

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