心身の回復とウェルビーイングな生き直しを。

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2017.11.09

【「自分自身を語る・表現すること＝生きる力」～セレニティーパークジャパン奈良　プレイバック・シアターミニワークショップレポート～】

先日の11月8日（水）に依存症治療共同体ワンネスグループ　セレニティーパークジャパン奈良では回復プログラムの一環として新たな取り組みが行われました。

「プレイバックシアターミニワークショップ」と題し、

プレイバックシアターtomorrow/ともろう。代表　中家八千代さん、劇団大阪プレイバックシアター代表　藤崎育子さんを施設へお招きし、体験型ワークショップを行いました。

 

「プレイバックシアター」とは・・・

1975年にジョナサン・フォックスによってアメリカで誕生した即興の心理劇です。

参加者の中から

・自らの体験、ストーリーを話すテラー（語り手）

・語られたストーリーを打ち合わせなしに即興で演じるアクター（表現者）

・状況のイメージを楽器などの音で表現するミュージシャン（音を奏でる役）

といった役割を募り進めていきます。

ここでは上手でなくても、完璧にイメージ通りでなくてもよいので「一人ひとりを大切にする気持ち」を持ちながらワークが行われていきます。

 

今回は午後の部と夜の部の2回に分けて開催。

始まる前にはクライアントのメンバーからは

「これから何が行われるのか不安だな」

「即興劇ってやるのが恥ずかしい」など

といった声が聞かれました。さて、どうなったのでしょうか？

 

前半は互いの自己紹介、空間を広く使って今の自分について体で表現したり、ギャンブルを始めたのが何歳くらいだったかを思い返してみたりと、和やかなワークからスタート。後半はメンバーの中からストーリーを語ってもらい、実際に即興劇をやってみる、見てみる時間となりました。

中家さん、藤崎さん、ワンネスグループ共同代表の三宅の3名で即興劇のアクター（表現者）を務め、それぞれが感じるままに感情を表現する姿に、全員が自然とその場に引き込まれ、楽しさや喜び、不安や違和感を一緒になって感じることの出来る時間となりました。

 

夜の部ではスタッフ中心でワークショップをしていただき、全員が各々の感情や本当の自分自身を全身で表現することを体験しました。

 

 

ギャンブル依存症の問題は、金銭や仕事など表面的な問題にとどまりません。

なぜ、ギャンブルを繰り返ししてしまうのか？

それは、自分自身の感情を適切に表現することが出来なったからという点にあると思います。楽しさや安心感が欲しい、不安や苦痛から楽になりたいと思った時に、ギャンブルをすることでしか問題を解決出来なかったように思います。また、人に嫌われたくないと考えるようになり、感情表現に対して臆病になってしまった結果、人間関係がうまく築けず孤独に。そこからギャンブルへ依存していくということもあります。

 

今回のワークショップに対する感想です（一部）

・自分自身の『後悔』についてプレイバック（即興劇）してもらいましたが、イメージと近いものを見ることが出来た。新しい視点で自分の感情に触れることが出来たように思います。

・「自分も演じてみたい」と感じていたが、なかなか勇気が出なかった。思い切り表現しているアクターを見ていて、自分もそうなりたいと思えた。

・やりたいけど出来ない自分に恥ずかしさもあったが、今この場で恥ずかしさを話せていることが不思議。

・プレイバックの中で出てくる感情は、自分にもよく似た経験がたくさんあった。

 

不安を感じながら始まったワークショップも、感情をそれぞれの方法で表現した時間を終えた後には、笑顔が本当に多かったように思います。

 

中家さんからはこんな言葉もいただきました。

「語ることは生きる力。人それぞれには語られたがっている感情、ストーリーがたくさんあります。それらをちゃんと陽の目に出してあげることは、回復の大切なプロセスです。」

 

本当の自分自身を語り、表現すること。そして、これからの未来をどう表現し、描いていくか。

依存症からの回復に取り組み続ける私たちにとって、大きな一日となりました。

 

一般財団ワンネスグループ

一般社団法人セレニティーパークジャパン

スタッフ　木村　勇也

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