その他の依存症について
買い物依存
店舗やインターネットを経由して買い物をする行為に高揚感や刺激を感じ、その良い感覚を過剰に追い求めることから始まります。借金をするなど、身の丈に合わない買い物行為を繰り返すことになり、結果として、家族や周囲の人たちを傷つけ、社会生活が送れなくなってしまう状態を言います。
窃盗
万引きをはじめとする窃盗行為をするときの快感、満足、または解放感を過剰に追い求めることから始まります。窃盗したものを何かに用いることや、売却して金銭を得ることなどを目的としない窃盗行為を繰り返し(盗みという行為そのものが目的)、結果として、逮捕されても、受刑しても止められないという状態を言います。
性依存
様々な性的行動から得られる快感や刺激などに囚われて行動頻度が増えていくことで、自身でコントロールすることが出来なくなります。その結果として、触法行為(痴漢や強姦、盗撮など)で逮捕されたり、法律には触れないものの不倫や風俗通い、性的なサイトの閲覧などで問題が起こるなど繰り返しながらも、行為が止められない状態を言います。
人間関係の依存
共依存が代表的なもので、主に依存症者と家族の関係を指す(例:家族は本人の問題の尻拭いを続け、本人は家族をコントロールし続ける)のですが、それ以外にも、家庭内や職場内などで現れることがあります。相手をコントロールする言動とおりに相手が動くことで自分自身の安定を図る、自分が相手から必要とされているという状況を作り出すための言動を繰り返すこと
により、様々な問題が生じる状態を言います。アルコールや薬物、ギャンブルなどの依存問題を抱えている方が、それら依存対象を手放したものの、その代わりに人間関係へ依存しストレスを抱えた結果、元々の依存対象の再使用等が起こるケースも少なくありません。
他者に依存すること自体が良くないのではなく、その関係性に当事者が苦痛を感じている(のに離れられない)という点が重要といえます。ホストクラブ通いが止められない、DVが止まらないという問題も人間関係への依存に入るという考え方もあります。
「Well-Being(ウェル・ビーイング)」から考える
依存からの回復・成長
これらの依存の問題を抱えている当事者は、アルコールや薬物、ギャンブル、ネットゲームへの依存に悩む方と状況が酷似しています。
当事者ご本人には元々不快なこころの状態があり、何らかの行為に没頭するよって不快な状態を払しょくできたというある種のメリットを感じ、そのメリットを頻繁に感じていたい欲求から頻回にのめり込み、依存に至る、という表現に言い換えることができます。ですので、その他の依存
の問題についても「(脳の)病気」という表現もできれば、生きづらさにまつわる「こころの課題」という見方ができ、「なぜ私はそこまで(依存行為が)必要だったのか」「依存行為からどのような心理的メリットを得ていた(得ようとしていた)のか」などの問いを立てることが、解決のきっかけとなります。
私たちワンネス財団は、WHO(世界保健機関)が定義する「健康」の状態を踏まえて、依存を抱えている方は肉体的、精神的、社会的の各側面が良好な状態ではなく、その状態を埋め合わせていくために依存に陥っていると考えます。それら各側面を良好にしていくことは言い換えれば‘Well-Being(ウェル・ビーイング)’にもつながり、単に依存対象を断つことや近づかないことが解決ではない・・・全人的な回復成長こそが依存問題解決のみならず予防にも必要なのです。