2016.09.20
彼女に薬を教えたのは私 〜依存症治療共同体ワンネスプグループ〜
依存症治療共同体ワンネスグループスタッフ・井上麻希
連日メディア通して、また全国を飛び回りメッセージを伝え続ける彼女に、もう手に入らないと思っていた大切なギフトが届きました。
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「回復からの贈り物」
彼女に薬を教えたのは私。
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彼女とは夜の街で出会いました。
最初からなんとなく気が合い、すぐに仲良くなって自然とお互いに親友と呼ぶ仲になっていきました。
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ある日いつものように遊んでいた時、私は彼女に自分が薬を使っている事を打ち明けました。
そして軽い気持ちで「やってみる?」と声をかけました。
一瞬驚いた表情を見せながらも、彼女も最初は遊び程度の気持ちだったと思います・・・
そうして彼女と私は会うと薬を一緒に使う様になっていきました。
秘密を共有し、もっともっと仲良くなるはずだったのに、しばらくするとなぜか彼女と私の仲に亀裂ができていきました。
男関係、お金関係、そして最後私は自分勝手に彼女と連絡を取らなくなりました。
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それから何ヶ月かたったある日、ふいに彼女から連絡があり再会をしました。
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話を聞くと、彼女はあれからきっぱり薬を止めて、その後子供ができて彼氏と大阪に旅行へ来ていました。
とても幸せそうな彼女・・・
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そんな彼女に、私はまた薬を勧めてしまったのです。
その時の私は薬でしか人と繋がれなかった。
一緒に薬をする事で昔の仲に戻れると思っていました。
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でも結局その日を最後に彼女とは連絡がとれなくなりました。
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彼女の人生をめちゃくちゃにするところだった私、でもその時の私は、彼女に申し訳ないと考えるより、彼女に裏切られたという思いの方が強く、彼女の幸せが妬ましかった。
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ボロボロになった私が依存症治療共同体ワンネスグループに繋がりプログラムを進める内に、彼女に対する後悔と自分がしてきた事の重大さにようやく気付き、心から謝りたいと思っても、その時の私には彼女に連絡する術がありませんでした・・・
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そして彼女に対して、一生罪悪感を抱えたまま生きるしかないと思っていました。
ところが先日、突然フェイスブックを通して彼女から連絡が来ました。
某有名アーティストが捕まった報道で私がテレビに出演したのをたまたま見て、依存症治療共同体ワンネスグループのスタッフとして活動していることを知ったとのことでした。
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見た瞬間、鳥肌が立ちました・・・
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すぐに私は、自分が彼女にしてしまった取り返しのつかないことを謝罪しました。
恨まれていても、何を言われても仕方が無い・・・
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でも彼女は、私のせいでは無い、お互い若かったからねと・・・言ってくれました。
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彼女は結婚して子供を2人育てながら、ずっと薬を止め続けていました。たまにフラッシュバックがあっても、家族の事を思い止め続けていると教えてくれました。
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そして、私に会いたい。
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今の私だったら会っても絶対使わないと信じられる。
だから会いたい。
そして、また友人関係をやり直したいと。
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涙がボロボロ出ました。
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私が変わった様に彼女も変わっていました。
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今度、日程を合わせて彼女の住む街へ行く事を約束しました。
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諦めず、逃げずに回復を続けてこれたからこそ与えられたこの最高のギフトに心から感謝します。
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依存症治療共同体ワンネスグループ・井上麻希
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