心身の回復とウェルビーイングな生き直しを。

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2017.05.21

「高校生とギャンブル依存症問題を考える」～筑波大学附属駒場高校の生徒さんが施設見学に来てくれました～

皆さん、こんにちは。依存症治療共同体ワンネスグループ　セレニティーパークジャパン奈良の木村です。

 

この時期になると奈良では、多くの修学旅行生の姿を目にします。私も学生のころ、修学旅行で大阪・京都・奈良を訪れた経験があり、そのころを思い出します。

先日、依存症治療共同体ワンネスグループ　セレニティーパークジャパン奈良に筑波大学附属駒場高校の生徒さんが施設見学に来てくれました。授業の総合的な学習の時間の一環として、関西地方をトピックに研究をするにあたり大阪カジノ構想に着目。「ギャンブル依存症」について関心を持ったそうです。

 

 

 

自分たちで依存症について書籍やインターネットで調べていく中で、依存症は「心の弱さ」ではないかと考えていましたが、次第に「依存症は病気」なのだと知ったとのことです。そこから、依存症問題に取り組むワンネスグループを知り、依存症回復の現場を自分たちの目で見たいと思い立ち、今回の見学に至ったとのことでした。

今回、一緒にプログラムに参加してもらいながら「ギャンブル依存症基礎講座」というテーマでワークを行いました。

今回の内容構成は
①　ギャンブルとはなにか？
②　依存症について
③　依存症回復プログラム
の3本立ての構成で、意外と知らない「ギャンブル依存症」について考える機会としました。

 

 

 

前半は木村がファシリテートを務め、ギャンブルについての認識についてのクイズや依存症のメカニズムなどについてプレゼンテーションしました。意外と知らない「え？これもギャンブルなの？」という驚きの声が多かったことと、依存症はなぜやめられないかを知り、それぞれの認識も大きく変わったようです。

後半ではボディーワークを行い、音楽に合わせ体を動かすことで自分の内側から沸き起こる様々な感情に触れるための時間としました。

ワークの最後に分かち合いの時間を取りました。
「体を動かすことへの恥ずかしさが湧いてきた」
「とにかく楽しくて、ワクワクした！」
「最初は恥ずかしかったけど、体を動かすうちに気持ちが変わることに気付いた」
など、頭で考えるのではなく体で感じるという感覚に新しい発見があったという感想を分かち合ってくれました。

 

 

 

ワーク終了後には、生徒さんたちからの質疑応答の時間を設けました。
・ギャンブル依存症をなくすためには、ギャンブルをなくす以外にどういった方法があるか？
・依存症回復支援を行うワンネスグループとして、大阪カジノ構想をどう考えるか？
・依存症の当事者はどのように回復の資源に繋がることが出来るのか？
といった質問を通じ、互いの意見を交換し合いました。

 

 

 

また、施設内の見学も行いました。生徒さんたちからは
「施設＝殺風景というイメージがあったが、とても明るい雰囲気を感じました。」
「回復に取り組んでいる人たちが、こんなにフレンドリーで親しみやすいとは思わなかったので驚きました。」
「こういった明るい雰囲気と環境の中で生活できるのは、とてもいいなと感じました。」
など、依存症回復施設への印象も大きく変わったというポジティブな感想を多くもらいました。

 

 

 

先週末に行われたギャンブル依存症対策フォーラムで講演いただいたキース・ホワイト氏も一緒にプログラムにご参加いただきました。

「利害を超え、社会的コスト低減の協動を。」東京と大阪でギャンブル依存症対策フォーラムを開催しました。

一緒にボディーワークも行い、生徒さんと回復に取り組むクライアント全員に励ましのメッセージもいただきました。

高校生とともにギャンブル依存症について考えるという今回の機会はとても画期的なことだと感じています。IR法案が可決され、社会の中でカジノやギャンブル依存症に対する関心は高まっている中で、ギャンブルの是非を問う動きがあるのも現実です。ギャンブル依存症問題を考えるうえで、ギャンブルを排除するのではなくギャンブル依存症に対する予防・教育・回復支援について考えることが必要なのではないでしょうか。

 

 

 

今後の依存症治療共同体 ワンネスグループの活動に活かしていくための大きな学びの機会にもなり、見学に来ていただいたことに心から感謝したいと思います。

依存症治療共同体ワンネスグループ
一般社団法人セレニティーパークジャパン
木村　勇也

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