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ワンネス財団活動ブログ

2019.06.10

「処方薬への依存」沖縄セミナーで経験者が実態を語る。

今回の活動ブログは、ワンネスグループが全国各地で開催している「依存症を知るセミナー」から、処方薬への依存をテーマに取り上げた沖縄会場の様子をご紹介。
 
処方薬への依存の経験者でもある、セレニティパークジャパン沖縄 南城依存症ケアセンタースタッフの中垣内雄大がレポートします。
 

 
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6月6日に那覇市で開催した「依存症を知るセミナー」では、主に処方薬・向精神薬への依存について取り上げました。
会場には福祉・医療関係の方、依存症者のご家族の方、自治体職員の方などにお越し頂くなど参加者は60名を超え、関心の高さを感じました。
 

 
「処方薬への依存」と聞くと、違法薬物への依存やアルコール依存などと比べメディアで報道される機会が少なく、耳慣れない言葉かもしれません。
 
しかし近年、睡眠薬や抗不安薬を中心とした処方薬への依存例が着実に増加しつつあり、ワンネスグループへの相談(フリーダイアル、メール、施設来所など)も増えています。
 
セミナーでは最初に、処方薬への依存の概要についてスライドを用いながら、セレニティパークジャパン沖縄 南城依存症ケアセンターディレクターの島辺と、私が質問応答を交えてご紹介させて頂きました。
 

 
処方薬への依存には色々なケースがあります。
 
まず乱用・依存目的に処方薬を使用する人たちがいます。医師に処方された向精神薬がきっかけになって、処方量以上にまとめて飲んだり、多種多量の薬を求めて病院をハシゴしたり、あるいは違法に入手したりして、依存に陥るケースが近年問題になっています。
 
また、別のケースとしては、処方された量を守って服用しているのに、依存に至ることもあります。そろそろやめようと思って薬を減らそうとしたり、服用をやめようとすると、激しい苦痛を伴う離脱症状が出てやめられない「常用量依存」も問題になっています。
 
 
乱用される処方薬のほとんどは、抗不安薬や睡眠薬などのベンゾジアゼピン系と呼ばれる薬です。なぜかというと「効果が比較的早く感じられ、消えるのも早い」からです。同じベンゾジアゼピン系でも、作用時間が短いものほど(ハルシオンなど)乱用や依存の危険が大きくなります。
 
かつて、ベンゾジアゼピン系の薬は安全だといわれていました。しかし、欧米では1980年代から、処方について注意が喚起されるようになりました。適切な量でも、長期的に服用すると「身体依存」が形成されることが分かったからです。
 
ただし日本では依存症を扱う治療機関以外、こうした考え方はまだ少数派なのが現状です。
 
日本の精神医療は、欧米諸国と比べて薬物療法に比重を置いており、多剤、大量、高力価の薬を処方する傾向があるため、患者が依存症に陥るケースが多く、これまで見過ごされてきました。
 
ようやく近年になって、日本でもベンゾジアゼピン系の長期処方は規制されるようになってきましたが、処方薬依存症になってしまった患者は「どうすれば回復できるのか?」「どこに相談すればいいのか?」ということが分からず孤立し、困惑しているのが現状です。
 
そもそも、「病院で処方されている薬でも、使い方によって依存に陥る可能性がある」という概念自体が浸透していないので、「自身に薬の問題がある」と気づくまでに何年もかかるケースも多く、それがより問題を複雑なものにしています。
 
 
今回のセミナーでは、処方薬への依存の経験者でもある、私自身の体験も紹介させて頂きました。
 

 
もともと不安障害を治療するために、病院で処方された薬を飲んでいたのが、徐々にやめられなくなっていったこと。その背景には、幼少期から抱えていた「生きづらさ」が関係してたことなどを語らせていただきました。
 
処方薬への依存もアディクションの一種と捉えることが出来るので、依存症回復プログラムの適用が可能です。
 
ワンネスグループ沖縄の各施設でも、処方薬への依存で入所されている方が何名もいらっしゃいますが、すでに完全断薬に成功されている方が複数人おられます。
 
私たちは提携のクリニックと協力し、クライアント・主治医・施設スタッフの三者を交えてよく相談し合いながら、無理のない減薬、断薬を進めていく体制を整えています。
 
それと併せて、「なぜ処方薬を乱用しなければならなかったのか?」という根本的な問題にアプローチし、感情面や対人関係のあり方、自身にとって害になっている思考・行動パターンに向き合うプログラムを提供させて頂いてます。
 
処方薬への依存はまだまだ認知度が低く、回復のために使える自助グループも少ないのが現状です。
 
しかし、アディクションの一種である以上、本人の精神や健康を損ない、家族を巻き込みながら進行していく点においては、他のアルコールや薬物といったアディクションと変わることはありません。
 
病院や精神保健福祉センター、自助グループ、家族会、依存症回復支援施設などの社会資源をうまく使っていくことが重要です。
 
 
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<今回、セミナーに参加された皆さまからの感想を一部ご紹介します>
 
※公務員 女性 40代
私も睡眠薬・精神安定剤の離脱症状に苦しんだ。漢方薬を併用し、デパスを最後に断薬できました。自分の体験と、セミナーの話でいろいろ思い出して、大変共感できて良かったです。「PA(ピルズ・アノニマス)の開催場所など分かれば助かります。
 
訪問看護師 女性 50代
中垣内さんの事例を踏まえ、スクリーンでのセミナーがありよく理解できた。病院の処方薬だけではなく、市販薬にも焦点を絞ってのセミナーで、すごく薬に対して勉強、理解されていると感じました(私たち、医療ではすごく市販薬と処方薬の服用に注意を払いたいです)
 
高齢分野 男性 20代
専門職の方の質疑、それに対する島辺さんと中垣内さんの応答がとても勉強になりました。今回学んだ事を身の回りや仕事においてアウトプットしてきたいと思います。
 
保健相談員 女性 60代
中垣内さんの体験談の説明はとても分かりやすかった。
ありのままの自分を認める。生まれ持った性格は変えようがない、受け入れることが出来たときが出口になることを教えて頂きました。
 
 
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