2019.10.05
仕事や学業を続けながら ギャンブル等依存症脱却に取り組む・・・「週末通所コース」レポート
今回の活動ブログは、ワンネスグループが大阪・名古屋・横浜で提供しているギャンブル等依存症脱却の‘もうひとつの選択肢’である、「週末通所コース」について。
セレニティパークジャパン奈良 チーフスタッフの木村勇也がレポートします。
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皆さん、こんにちは。
ワンネスグループでは、依存症脱却支援のための社会資源として入所型施設を運営しており、現在グループ全体で約150名の方が利用されています。
依存症からの脱却に有効な手段は色々とあります。
その中で私たちは「マイナス10からプラス10への回復」を掲げ、単に依存対象を使わない(遊ばない)だけではない生き方を支援するという視点で、入所型支援をお勧めしています。
しかし一方で、依存症者ご本人が現在仕事に就いている、学校等に在籍しているというケースでは、入所を選択することのハードルを高く感じるという事も、相談対応のなかで浮き彫りになっています。
依存脱却に向けた決心のハードルを出来る限り下げていくために、そして社会におけるセーフティネット構築の思いを込め、私たちが出来ることとして、週末(土曜日あるいは日曜日、祝日の場合も)の午後に支援を提供する「週末通所コース」を2016年からスタートさせました。
(画像をクリックすると通所コースのページへ移動します)
週末通所コース大阪会場は通算7期目の実施中で、先日から後半プログラムがスタートしました。
ギャンブル・インターネットゲームのみならず行為依存(プロセス依存)の方もご参加されるケースもあり、大阪会場には、買い物依存からの回復を目指し、プログラムに取り組まれている方もいらっしゃいます。
今回は、先日実施した第11回のプログラム『自己内省のワーク(その3)』の様子をお伝えします。
プログラムの前半では「ギャンブルなどのアディクションが自分に及ぼしていた効果とは?」についてテキストを使ってのシェアリングを、後半では「神様からの手紙」と題して、幼少期の自分を振り返りながら自分自身の感情に寄り添い、潜在的なニーズを発見するというワークを行いました。
前半のプログラムでは、私を含めた参加者全員でそれぞれの視点から過去の経験を分かち合いました。
それぞれの意見や感情には多様性があり、分かち合っていくことで「自分もそうかもしれない」「言われてみれば自分もそうだった」となっていき、互いの気付きも深まっていきました。
後半のグループワークでは、幼少期の頃を振り返って手紙を綴り、読み上げるというワークを行いました。
当時の自分を今の自分から見て「どんな手紙を送ってあげたいか」、逆境の最中で頑張っていた自分に寄り添い、当時の感情に今の自分が客観的な視点から寄り添い、過去と今の自分自身を肯定していくプロセスで進めていきました。
「今は苦しくて希望がないと思っていても、将来には明るい未来が待っているよ。」
「周りには言ってもらえなかったかもしれないけど、あなたは頑張っていることは良く知っているよ。」
など、依存脱却の道のりを歩み始め、自分自身のために行動し始めたからこそ思える気持ちを、それぞれの言葉で手紙にしていきました。
ギャンブルや買い物などへの依存で問題を抱え、自分自身の存在価値が低くなってしまってしまうという事は良くあることですが、こうしたプロセスを経て改めて自分自身の本当の存在価値に気付いていく良い機会になったようです。
冒頭でも述べたように、依存症脱却には様々な選択肢・社会資源があります。
しかしながら、当事者(依存症者ご本人)からは、相談や脱却を支援する社会資源には繋がりにくいという実態があります。
依存症による様々な問題を抱えている当事者の心理としては、本質的な問題(感情面やこれまでの生育環境で身に付いた生きづらさなど)ではなく、表面的な問題(借金の返済や仕事の維持、家庭や学業の存続など)をどう解決するかに目が向きがちです。
結果として、ギャンブルやインターネットゲームなどの依存行為を止め、依存脱却に取り組むという視点に至らないことが多いのです。
そんな中、先日新たに一人のギャンブル依存症の男性が週末通所コース大阪会場への参加を決心され、回復をスタートしました。
参加初日には、初対面の私たちに過去の苦しかった経験を正直にお話してくださいました。同時に、ギャンブルを止めて家族やこれからの自分の人生をより良くしていくきっかけとして通所コースに参加する決心をしたともおっしゃっていました。
第7期の大阪会場は12月21日(土)まで行われます(第8期は2020年4月スタート予定)。
約3か月の期間の中でご参加くださっている方々がどのように変化し、「本当の自分らしさ」と出会うのか。
そして、今後の回復を通じてどういった人生を歩んでいくのかをこれからも応援していきたいと思っております。
※週末通所コースは、全20回のプログラムが半年ワンセットで循環します。途中からの参加も可能です。
※参加者は、次期以降のシリーズを無料で参加可能です。詳しくは、週末通所コースの特設ページをご覧ください。
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◆ワンネスグループホームページ「ギャンブル依存症を知る」
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◆ワンネスグループホームページ「インターネットゲーム依存症を知る」
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