2025.04.27
【開催報告】ウェルビーイング・シンポジウム福岡
4月27日福岡市内にて、当財団初となる「ウェルビーイング・シンポジウム」を開催しました(後援:福岡県、福岡市、西日本新聞社)。
「新たな立ち直り支援」と「生きがいを育む生きなおし、更生支援」をテーマに掲げた本シンポジウムには、司法・行政・福祉関係者の皆様をはじめ、地元の大学生の方々にも多数ご参加いただき、会場はほぼ満席となる盛況ぶりでした。
シンポジウム前半では、当財団が全国の刑事施設へ配布しているドキュメンタリー映像「幸せに生きるための手引き」を上映。ワンネス財団沖縄施設での生きなおし応援の現場を追った内容に、上映後の参加者の表情から、多くの気づきを得られた様子がうかがえます。
後半のパネルディスカッションでは、地元福岡で数多くの少年事件に携わってこられた弁護士の知名健太郎定信氏をゲストにお迎えし、奈良県地域生活定着支援センター長の西田利昭氏、北新地クリニック放火事件被害者ご家族の緒方伸子氏、そして財団顧問で福山大学教授の中島学氏が登壇。さらに、財団共同代表の泉と、前半のドキュメンタリーに登場した沖縄施設スタッフの一森も加わり、多角的な視点から活発な議論が展開されました。
議論の中で特に印象的だったのは、支援者と被支援者の関係性についての新たな視点です。従来の一方的な「支援する/される」という関係から、メディエーター(仲介者)としての関わり方、そして共に歩み、寄り添い、生き直しを応援するパートナーシップの重要性が強調されました。
各パネリストからは、非行や犯罪、依存症といった過去の事実を単に問題視するのではなく、その背景にある当事者の状況や心情に目を向けることこそが、真の変化と成長のきっかけになるという共通認識が示されました。
会場からは、「日々の支援現場で感じる壁をどう乗り越えるか」「当事者の主体性を引き出すためのコミュニケーション方法」など、実践的な質問が多数寄せられます。これらの質問に対し、登壇者からは自身の経験に基づいた具体的なアドバイスが提供され、参加者の熱心なメモ取りからも、その関心の高さがうかがえました。
今回のシンポジウムは、当財団の取り組みについて専門的な視点から改めて言語化される、大変貴重な機会となりました。
ご参加いただいた皆様、素晴らしい発表をいただいた登壇者の皆様、そして広報などでご協力いただいた皆様に、心より感謝申し上げます。
同趣旨のシンポジウムは、今後7月に東京、10月に札幌での開催を予定しております。詳細が決まり次第、以下のリンク先イベント情報にてご案内いたしますので、ぜひご確認ください。
文:三宅隆之 ワンネス財団共同代表/保護司/精神保健福祉士/公認心理師
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