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ワンネス財団活動ブログ

2025.09.30

ワンネス財団20周年記念カンファレンス パネルディスカッション「生き直し応援の足跡」レポート

創立20周年を迎えたワンネス財団は、およそ5年前から「断らない支援」を掲げました。これまでの依存症脱却支援の組織から脱皮して、刑事施設出所者や少年院出院者、非行少年などへのウェルビーイング視点での断らない更生支援(生きなおしの応援)を実施。それは、カリキュラム変更をはじめとする支援のあり方、そしてスタッフ個々のあり方の変化まで大きく舵を切ることになりました。

9月23日に大阪市内で開催した記念カンファレンスから、更生支援に関する識者が登壇したパネルディスカッションをレポートします。テーマは「生き直し応援の足跡」。過去20年の取り組みをアカデミックな切り口で捉え、未来への展望を語り合いました。

(文:三宅隆之/ワンネス財団共同代表)

※レポート第1回(キーノートセッション)は、こちら。

https://oneness-g.com/acblog/oneness20th_report

小山定明氏(元法務省矯正局長)からの祝辞

パネルディスカッション冒頭では、小山定明氏からビデオメッセージが寄せられました。

  • ワンネス財団の「断らない支援」は、制度のはざまで孤立する人々にとって希望であること。
  • 再犯防止や依存症、発達障害への包括的な支援が成果を上げていること。
  • 今後は、組織文化や情報発信、外部評価を取り入れながら、持続的に支援の質を高めてほしいこと。
    温かさとともに課題提起も含まれたメッセージに、会場は深く頷きました 。

 

登壇者から

岡邊健 氏(京都大学大学院 教授)

学術的な観点から、近年の「犯罪からの離脱」研究を紹介。

  • 自己責任論やレッテル貼りの有害性。
  • 犯罪からの離脱は「やめること」ではなく、「自分らしい生き方を獲得すること」である。
  • 本人の強みや「良さ」に着目するグッドライフモデルが有効であり、ワンネス財団の実践はまさにその最先端である。
    と位置づけました。研究の裏付けにより、ワンネス財団の歩みが国際的潮流とも響き合うことが示されました 。

 

泉圭介(ワンネス財団共同代表)

自身の過去を率直に振り返りながら、「人の優しさを信じ切ることで人生が変わった」と語りました。支援を受けた経験から「命のリレー」を実感し、今は自らが応援者となっていることを強調しました。施設運営の中で大切にしているのは、「まず自分が幸せに生きること」。その姿が周囲に波及し、応援の輪を広げる力になると伝えました 。

 

伊藤宏基(ワンネス財団共同代表)

幼少期の生きづらさや依存の体験を語りつつ、「助けられた命をつなぐ」決意を20年間貫いてきたと振り返りました。特に2015年頃から、心理学を取り入れた「断らない応援」に舵を切ったことで、年齢・性別・国籍を問わず幅広く人を受け入れてきたと紹介しました。その結果、累計1,500名のうち約450名が刑務所出所者であり、その約8割が再犯していないという実績を共有しました 。

 

ファシリテーター 中島学 氏(福山大学教授/ワンネス財団顧問)

矯正行政の経験と研究者の視点から議論を導きました。「奈良モデル」とも呼ばれるワンネスの取り組みは、世界的に見ても独自の実践であると評価しつつ、次の10年に向けた展望を問いかけました 。

まとめ

20年間の歩みを通じて見えてきたのは、「生き直し」は一人ではできないという事実です。仲間や支援者、研究者、行政、地域の多様な人々が関わることで、孤独の解消と自己実現が可能になる。
この対話は、単なる再犯防止ではなく「生き直し支援」という言葉が持つ力を改めて浮かび上がらせました。

ワンネス財団の次の20年は、誰一人取り残さずに“生き直しを応援する社会”を広げていく挑戦です。

 

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